RSウイルスとは
RSウイルスとは、急性呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、乳幼児に多く感染が見られ保育園や幼稚園などで感染が広がることもあり、夏頃から徐々に感染が見られ秋から冬にかけて流行することが多いですが、最近は季節にかかわらず感染が確認されることもあります。
感染経路は、くしゃみや咳どの飛沫感染やウイルスに触れた後の衣類やドアノブやおむつ替えの時にウイルスに触れる接触感染によるものがあります。
RSウイルス感染症の症状
RSウイルス感染症の症状は鼻水、咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸)、発熱といった症状が見られます。特に小さなお子さまは重症化し喘息や肺炎になる可能性があります。
RSウイルスの治療
RSウイルスは抗生物質などは効かず有効な薬はありません。
基本的には、安静にしていただき自然治癒になりますが症状を和らげるお薬を処方したり鼻水が多い場合には吸引を行います。
特に注意が必要な方
RSウイルスは感染力が非常に強いウイルスです。
特に新生児や生後6ヵ月以内の乳児が初めて感染すると重症化しやすくなります。
また、低出生体重児(出生児体重が2,500g未満)、心臓や肺の基礎疾患、免疫不全、ダウン症などのお子さまは重症化しやすいことが知られています。
RSウイルス重症化対策の予防薬「シナジス」
RSウイルスの重症化を防ぐ予防薬としてシナジスを当院では扱っております。
シナジスはRSウイルスに効果がある抗体成分を精製したもので効果は約1か月です。
流行期に毎月接種する必要があります。2022年は4月~11月です。他の予防接種と同時接種も可能です。
以下の方は保険適応でシナジスを接種できます。
- 早産児
- 在胎期間28週以下で1歳未満のお子さま
- 在胎期間29~35週で、6ヵ月未満のお子さま
- 慢性肺疾患、先天性心疾患、免疫不全症、ダウン症がある2歳未満のお子さま
当院では、オンライン診療にて症状を伺うこともできますので、低体重出生児や基礎疾患をお持ちのお子さまがいらっしゃいましたらご利用ください。
監修者情報
及川 茂輝 院⻑
東京大学文学部大学院終了後、福島県立医科大学医学部に入学。その後、神奈川県立こども医療センター、国立病院機構横浜医療センター、横浜市立大学医学部付属病院での勤務を歴任。「あかちゃんとこどものために世界で一番よいクリニックを創る」ことを使命とし、育児に悩むお父様、お母様の気持ちに寄り添う医師として診療を行う。・日本小児科学会認定 小児科専門医
・日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医