むずむず脚症候群
むずむず脚症候群は別名をレストレスレッグス症候群といい、脚がむずむずしたり、動かしたくてうずうずして我慢できなくなったり、ひどい場合には脚の中を虫が這うような感覚に陥ってしまう睡眠の障害になりやすい病気の1つです。症状をうまく伝えられないお子さんがむずむず脚症候群になると、お父さん・お母さんは「子供が騒いで寝付かない」と訴えることがあります。
むずむず脚症候群の症状
むずむず脚症候群の自覚症状としては、主に脚に
- むずむずする
- 痛がゆい
- うずうずする
- じっとしていると不快
- 火照る
- 針でなぞられるような不快感
- 虫がはいずり回っているような感覚
といった異常な感覚を感じることが挙げられます。
むずむず脚症候群は神経系の疾患の1つで、患者さんによって「感じ方」は様々です。中には激しい痛みや、ブルブル震えるような違和感を覚える患者さんもいらっしゃいます。
むずむず脚症候群の特徴
むずむず脚症候群の大きな特徴は
- 夕方から夜間にかけて症状が現れやすい。
- 脚の強い不快感、動かしたい欲求が現れる。
- 脚を動かすと不快感が軽減されるが、安静にして横になったり座ったりしていると不快感が現れる。
などが挙げられます。
夕方から夜間にかけて症状が現れる
1日の中で時間帯により、症状の強さが変わります。特に夕方から夜にかけては症状が現れやすく、また強くなりやすいです。そのため、夜寝るときに症状が現れるので、睡眠障害の原因にもなり、日常生活に大きな影響を及ぼします。
脚の強い不快感、動かしたい欲求が現れる
脚に表面上にむずむず感が出るのではなく、脚の深部に不快な感覚を覚えます。両方の脚に同時にこれらの不快感が出ることが多いですが、片方の脚だけに出ることもあります。症状が進行すると、腰などにも症状が現れることがあります。
脚を動かすと不快感が軽減されるが、安静にして横になったり座ったりしていると不快感が現れる
むずむず脚症候群の一番の特徴として、少し歩いたり脚をたたいたりさすったりなど、動かしてみるとむずむず感が軽減されるということがあります。これは脚の「むずむず感」よりも強い刺激を脚に与えることで症状が軽減されると言われています。
また脚の運動をやめて、横になったり座ったりしてからしばらくすると、むずむず感が出てきてしまうという特徴もあります。
むずむず脚症候群の原因
むずむず脚症候群の原因はまだはっきりと明らかになっていません。
今考えられている原因としては
- 遺伝
- 神経細胞の異常
- 鉄分の不足
が挙げられます。
遺伝
ある研究結果では、親族など血縁関係がある患者がかかりやすいと言われています。
神経細胞の異常
ドパミンという運動機能を活発化させる、脳内の神経伝達物質のなんらかの機能障害により、むずむず感を引き起こしていると考えられています。
鉄分の不足
ドパミンの合成の過程に必要な鉄の欠乏により、ドパミンの機能障害を引き起こしているとも言われています。
むずむず脚症候群の治療方法
睡眠習慣の改善
- 規則的な睡眠・起床
- 寝る前の激しい運動を避ける
- 寝る前のストレッチとマッサージ
薬物療法
ニュープロパッチやビ・シフロールなどのお薬を使用します。
鉄の不足が原因となっている場合は、鉄の補給剤を服用していただきます。
※診療をご希望の方は、まずは湘南台あかちゃんこどもクリニック(0466-45-0123)までお問い合わせください。
監修者情報
及川 茂輝 院⻑
東京大学文学部大学院終了後、福島県立医科大学医学部に入学。その後、神奈川県立こども医療センター、国立病院機構横浜医療センター、横浜市立大学医学部付属病院での勤務を歴任。「あかちゃんとこどものために世界で一番よいクリニックを創る」ことを使命とし、育児に悩むお父様、お母様の気持ちに寄り添う医師として診療を行う。・日本小児科学会認定 小児科専門医
・日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医